ひび割れなど住宅の損傷は様々ですが、ここでは外的要因による損傷などを「住宅被害」として、その原因や発生状況などについてご紹介します。
住宅被害には、主に、何らかの原因による沈下(沈下被害)、環境振動や建設工事振動による被害(振動被害)、また、これらが隣接する建設工事による場合(建設工事被害)があります。
このように、住宅被害の形態も様々なので、以下を参考に、もし何等か思い当たるようなことがあれば、他の各ページを参照ください。お役に立てる情報があるかもしれません。
ひび割れなど住宅の損傷は様々ですが、ここでは外的要因による損傷などを「住宅被害」として、その原因や発生状況などについてご紹介します。
住宅被害には、主に、何らかの原因による沈下(沈下被害)、環境振動や建設工事振動による被害(振動被害)、また、これらが隣接する建設工事による場合(建設工事被害)があります。
このように、住宅被害の形態も様々なので、以下を参考に、もし何等か思い当たるようなことがあれば、他の各ページを参照ください。お役に立てる情報があるかもしれません。
沈下被害は「住宅の品質確保等の法律」(2000年制定)や関係法令の制定、日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針」(2008年)の発刊などにより、近年はこの表のように減少傾向にありますが、2000年以降に建築の建物でも、軟弱地盤地域での調査によれば1%程度の割合で発生しています※。
2024年の住宅の建築戸数は約80万棟です。このう仮に軟弱地盤地域を5%とすれば年間400棟程度の沈下被害が生じていることになります。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター:住宅相談統計年報2021資料編 全表43
※藤本圭介ほか:戸建住宅の経過年数と損傷程度の関係(その2)(その3)日本建築学会大会梗概集2020.9
このように住宅の沈下障害は「基礎の損傷」に関する障害が多く、場合によっては深刻な問題となる場合もあります。
建物の損傷発生は基礎のひび割れに大きく影響を受けます。特に基礎の換気口周りは主筋が不連続になったり断面が欠損しますので弱点となるため、ひび割れの発生がよく見られ不同沈下の原因となります(ひび割れや不同沈下の発生は「卵が先かニワトリが先」ですが)
このため現在では基礎パッキングを採用した換気口のない基礎が主流になっています。
日本建築学会:戸建住宅におけるこれからの基礎・地盤の性能評価-品確法と基礎の性能,シンポジウム資料,建築基礎の設計施工に関する研究資料7,2001.11
建築物の沈下にはここに示すように、(a)不均一な軟弱地盤(b)建物重量の偏り(c)擁壁の変位(d)埋戻し不良(e)地盤改良設計不良(f)地盤改良施工不良(g)盛土の沈下(h)盛土の施工不良(i)切盛造成敷地(j)盛土厚の違い(k)谷埋盛土(j)新旧盛土にまたがる(m)傾斜地の滑り崩壊(n)近接掘削工事(o)近接盛土や建物荷重 など様々な原因があります。
不同沈下は建物荷重の偏り(b)〕や、基礎の配置不良,断面不足,基礎選定の誤りなど建築物側の原因もありますが、ここにあるように多くは敷地地盤の問題で、地盤条件を充分に把握せずに設計や施工が行われた場合に多く生じています。
特に近年は、 (c) (d) (g) (h) (i) (j) (k) (l) (m) のような擁壁や盛土などに起因する造成地盤に多く、圧密沈下だけでなく盛土の転圧不足や水浸沈下・スレーキングなど、主に雨水の浸入に起因する沈下が多く見られています。
もし、お住いの住宅の立地条件がこのどれかに当てはまるようでしたら、建物の沈下傾斜測定(「沈下被害」参照)をお勧めします。
(画像をクリックすると大きな画像(pdf)が見られます)
※日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針」2025.12
沈下被害は前述の通り、地盤の沈下により基礎が損傷し、これに伴う建物の歪みにより、壁のひび割れや建具の不具合が生じるものですが、近年は振動による損傷発生のクレームが多くなってきています
この表は、振動による損傷とクレームの多い損傷を比較したものです。
振動による損傷は、振動により建物が微小変形し、これに追随できない仕上げ面に損傷が生じるもの(詳しくは「振動被害」のページを御覧下さい)で、湿式壁(左官材仕上げの壁)によく見られますが、実際の振動被害はかなり古い建物に限られるのではないかと思います。
また一方で、振動による損傷は以下に示すような「経年変化による損傷」と良く類似しているため、トラブルの原因となることがよくあります。
これは2000年頃までの約1000棟の住宅の調査で見られた損傷と建物の経過年数を分析した結果です。
経年による損傷発生は建物がある程度古くなって生じるものと考えがちですが、この結果を見るとそうではなく、建築から5年程度までに発生し10年くらいまで進行、その後20年くらいまでは安定し、25年を過ぎるとまた増加に転じます。
10年くらいまでの変化は木材の反りやたわみと左官材の乾燥収縮、25年過ぎの変化は部材の劣化によるものと考えられます。損傷程度は小さくなりましたが、2000年以降の住宅を調査分析した結果でも同様の傾向が見られます※。
伊奈潔「軟弱地盤地域における戸建住宅の経年変化について―これからの基礎・地盤の性能評価-品確法と基礎の性能-」シンポジウム資料2001.11
※伊奈潔・藤本圭介「戸建住宅の経過年数と損傷程度の関係(その3 仕上げ材等の損傷状況)」日本建築学会大会学術講演梗概集2020.9